ジェーン・スーさんの『介護未満の父に起きたこと』(新潮新書)を読みました。
80代で一人暮らしのお父様。大きな持病はなく、介護認定を受けるまでもない。けれども年齢を重ねれば、できないことが増えてくる。
家はいつの間にかゴミであふれ、食べないことで瘦せて、体力がなくなる。何からどう解決するか?
そんな「老人以上、介護未満」に対する、娘としての葛藤や奮闘が描かれていました。
課題解決が大得意な筆者は、ビジネス書を買い込み、解決策を練ります。
問題を可視化し、情緒を排除。得たい成果は何か、大きなゴールは「父の安心」。ゴールが決定すれば、3つの基本方針「快適な居住空間」「健康を作る食」「体力づくり」が決まる。方針達成に向けて、PDCAサイクルをまわす。
家族は距離が近い分、気持ちがぶつかりやすい。
筆者は、介護を「終わらないフジロックフェスティバル」に、自分をフェスティバル主催者に、お父さまを「ミック・ジャガー」にたとえていました。無茶を言われても、相手が大物アーティストだと思えば、理不尽さも3割減。
それでも相手はひとだから、思い通りにはならない。コロナ禍も重なって、トライアンドエラーの繰り返しだったと。
でも、そういうものか、と思えるのも心構えになると思いました。
本のなかで「しかし、私がここで仕事をセーブし、直接父の相手をすることになれば、喧嘩が絶えないだろう。収入も減る。それは私にとってあまり賢い選択とは言えない」。
介護との両立支援の場で、伝えていることと似ています。
介護で辞めてしまうと、精神・肉体・経済面でかえって大変になるから。仕事を辞める前に、会社の両立支援の制度を確認してほしい、社内で相談してほしい、と思います。
鳥を可愛がって、清潔でおしゃれで、ちょっと人たらしな筆者のお父さま。私は他人だから言えるのですが、親しみいっぱい。 これからもお元気でいてほしいです。
