男性の育児休業取得率公表は、2023年4月に、労働者1,000人を超える企業を対象に開始されました。
25年4月からは、公表義務となる対象企業が拡大します。
対象となる企業
従業員が300人超1,000人以下の企業にも、公表が義務化されます。
※従業員数=常時雇用する労働者
常時雇用する労働者とは
雇用契約の形態を問わず、事実上、期間の定めなく雇用されている労働者を指します。
- 期間の定めなく雇用されている者
- 過去1年以上引き続き雇用されている者または、雇入れの時から1年以上引き続き雇用されると見込まれる者
正社員だけではなく、パート・アルバイトも含みます。
公表する内容
①または②のいずれかの取得率を公表します。
①男性の育児休業等の取得率
②男性の育児休業等と育児目的休暇の取得率
取得率の計算方法
①育児休業等の取得割合
育児休業等をした男性労働者数 ÷ 配偶者が出産した男性労働者数
例:配偶者が出産した男性労働者が5人。2人が育児休業を取得
取得率=40%
育休取得日数について、何日以上など基準はありませんが、年次有給休暇ではなく育児休業を取得した、男性労働者をカウントします。
②育児休業等と育児目的休暇の取得割合
①育児休業等をした男性労働者数 + 育児目的休暇を利用した男性労働者 ÷ 配偶者が出産した男性労働者数
例:配偶者が出産した男性労働者が5人。
2人育児休業、ほか3人は配偶者の出産休暇を取得(任意制度=就業規則に規定あり)
取得率=100%
育児目的休暇とは
就業規則等で「育児を目的とする」ことが明記されている休暇。
会社独自の休暇で、配偶者の出産休暇など規定されていれば、該当します(有給、無給は問わない)。
子の看護休暇や年次有給休暇など、法定の制度は対象になりません。
ケーススタディ
- 配偶者が出産した男性労働者がゼロだった場合
= 割合が算出できないため「-」と表記する - 計算結果に小数点以下がある場合
= 少数第1位以下を切り捨てて表記する - 同一の子に対し、産後パパ育休と育児休業を取得した場合
= 男性労働者数は1人としてカウントする(2回カウントとしない) - 事業年度をまたいで、育児休業を取得したり、分割して育児休業を取得したりした場合
=最初の育児休業を取得した年度のみカウントする
例 【3月決算社】 2024年3月~24年4月に育児休業を取得(23年度と24年度の事業年度にまたがる)
→ 2023年度に育児休業を取得した男性労働者として、計算する
公表する時期
事業年後が終了したら、おおむね3か月以内です。
たとえば、3月決算の会社の場合、公表期限は6月末となります。
公表する場所
取得率は、一般の方が閲覧できる方法で、公表する必要があります。
自社のホームページや厚生労働省「両立支援のひろば」などが挙げられます。
取得率は、毎年更新が必要となっていますので、対象となる場合は、ご注意ください。