2026年10月1日から、カスタマーハラスメント(カスハラ)対策と、求職者等へのセクシュアルハラスメント(就活セクハラ)対策が、事業主に義務化されます。
カスハラ対策の義務化(改正労働施策総合推進法・指針)
カスハラとは、顧客や取引先などによる、社会通念上許容される範囲を超えた言動によって、従業員の就業環境が害されるものをいいます。
電話やSNSを通じたものも含まれます。
【典型的な例】
- 身体的な攻撃(暴行・障害)
- 精神的な攻撃(脅迫・暴言・土下座の強要など)
- 不退去・居座り・監禁といった拘束的な言動
- そもそも根拠のない要求、対応不可能な要求
- 不当な損害賠償要求
※ 正当なクレームはカスハラではありません。また、障害者が差別的取扱いを受けないよう求める行為もカスハラには該当しません。
カスハラ対策:事業主が行うべき措置
①方針の明確化と周知・啓発 ── カスハラに毅然と対応し従業員を守る旨の方針を定め、全従業員に周知する。また、カスハラの内容と対処方法もあわせて周知する。
②相談窓口の設置 ── 窓口をあらかじめ定め、従業員に周知する。窓口担当者が適切に対応できる体制を整える。
③事後の迅速かつ適切な対応 ── 事実関係を迅速・正確に確認する。速やかに被害者へのケア・再発防止策を実施する。
④悪質なカスハラへの対処方針の整備 ── 特に悪質なケースへの対処方針を事前に定め、実行できる体制を整備する。
⑤プライバシー保護と不利益取扱いの禁止 ── 相談者のプライバシーを守り、相談したことを理由に不利益な扱いをしない旨を周知する。
就活セクハラ対策の義務化(改正男女雇用機会均等法・指針)
求職者等セクハラとは、自社の従業員が、採用面接・会社説明会・インターンシップ等に参加する求職者等に対して行う性的な言動により、求職活動が阻害されるものをいいます。求職者等には、教育実習や看護実習そのほかの実習を受けるものを含みます。
実態として、約3人に1人(31.9%)の就活生がハラスメントを経験しているというデータもあります。
身近な問題です。
【典型的な例】
- インターンシップ中に担当社員が性的な冗談・からかいを繰り返した
- OBOG訪問で知り合った社員から食事やデートへの執拗な誘いを受けた
- 採用面接で不必要に体に触れられた
※ 男性・女性どちらも加害者にも被害者にもなり得ます。同性間の行為も該当します。また、性的指向・ジェンダーアイデンティティにかかわらず該当することがあります。
就活セクハラ:事業主が行うべき措置
①禁止方針の明確化と周知・啓発 ── 就活セクハラを行ってはならない旨の方針と、行った者には厳正に対処する旨を従業員に周知する。また、面談時間・場所・SNSの種類など、求職活動に関するルールを求職者等にも周知する。
②相談窓口の設置 ── 求職者等も利用できる相談窓口をあらかじめ定め、周知する。
③事後の迅速かつ適切な対応 ── 事実確認・被害者へのケア・行為者への措置・再発防止策を実施する。
④プライバシー保護と不利益取扱いの禁止 ── 相談者のプライバシーを守り、事実確認に協力した従業員が不利益を受けない旨を周知する。
ハラスメント対策は、正直「やることが多くて大変だな」と感じる方も多いと思います。
その一つひとつが、働く人を守り、求職者に選ばれる会社をつくることにつながっています。
就活生も、現場の従業員も、「この会社なら大丈夫」と思えるような環境づくりを、ぜひ一緒に進めていきましょう。
https://www.mhlw.go.jp/content/001662630.pdf